2025年4月12日 くもり

 

戦の煙が空に立ち昇る。

混乱の世にあって、私はただ一人の人を探していた。

愛とは、まるで砂を洗う波のように儚く、

けれども、彼女との出逢いは、春の水に映る梨の花のように美しく、心を奪った。

かつて私は剣を手に、果てなき大地を駆けた。

だが今、その剣を収め、想いを胸にそっと仕舞い、

ただ夢の中で、彼女の面影を追いかけている。

将軍や王の地位など、もはや眼中にない。

千年の名声、万世の評価も、私にとっては塵に等しい。

私が願うのは、ただ愛によってこの終わりなき俗世の混乱を静めること。

私は天下よりも、永遠の愛を望む。

力よりも、水のような優しさを欲する。

誰がこの世の覇者であろうとも、私には関係ない。

この身に愛があるならば、どんな嵐も恐れはしない。

白髪となり、若き日の面影が失われようとも、

私は王座を捨て、ただ彼女の笑顔を得たい。

空しく想いを抱き続けるよりも、

心に一片の恨みもなければ、愛も憎しみも、すべて彼女と共にあればよい。

天地は広くとも、愛の道に終わりはない。

私の選ぶべき道はただ一つ、

彼女のために、すべてを捨てて生きること――

天下を退くしても、彼女と共にあるために。